|| 8時のGOOD STORY

『信頼の店・フレンズ』が続ける記録



福井県にある敦賀市立角鹿中学校。この学校には、「信頼の店・フレンズ」と名付けられた、
文房具などを買えるスペースがあります。
棚のように仕切られたワゴンの上に、ノートや習字に使う半紙、マスクなど、
12点ほどの商品が並べられています。
このスペース、校舎の1階にある購買室とは別に、わざわざ設けられたもので、
実は、2つの特徴を持っています。
1つは、授業と授業の合間にある休み時間でも購入出来ることです。
購買室の方は、授業が始まる前と、昼休みしか利用ができません。
そのため授業が始まってから…ノートがない!消しゴムを忘れた!と気づいても、
購買室では、お昼休みまで待たないと買えないのです。
その点、「信頼の店・フレンズ」は、午前中に限りますが、授業と授業の合間の
休み時間にも利用できるので、前の授業で気づけば、次の授業には足りないもの
を補充して臨めるわけです。

まぁ、これはちょっとしたアイデアという話ですが、そのほかにもう1つ、
「際立った特徴」があるんです。
それは、「無人販売」ということです。
購買室も、この「信頼の店・フレンズ」も、角鹿中学校の生徒会が運営していて、
購買室の方は、生徒が交代で窓口係を担当しています。
ところが「信頼の店・フレンズ」には、人がいないんです。
よく、郊外の住宅地に近隣の農家が作った「野菜などを売る無人販売の店」と
いうのがありますが、欲しい人は勝手に商品を持っていって、お代は箱の中に入れる…
それと同じ方法で、文房具などを販売しているのです。
先生が定期的に見回ることもありません。もちろん防犯カメラも設置していません。
そこには、売り上げも、お釣りのためのお金も置いてあります。
果たして、大丈夫なのか?このギモンには、1つの記録が答えてくれています。

その記録とは、およそ440日。
2006年の11月以来、1日の収支が正しく合う日がずっと続いているのです。
でも校長の橋本壽久先生は、
『記録よりも、人を信頼することの大切さ、人から信頼されることの
 素晴らしさを、感じて欲しいんですよ。』そう、おっしゃいます。
実は、この無人販売をする「信頼の店・フレンズ」、
1970年代から学校にはあったといいます。700日を超える収支が合う±0の日が
続いたときもあれば、「収支の合わない日」も、何度かありました。
それは単純な計算ミスが原因のときもあれば、意図的に行われた結果と
想像できる場合も、残念ながらあったといいます。
それでも角鹿中学は、この伝統を捨てようとはしませんでした。
信頼の大切さは、人が、人の心に育てるものと信じているからです。
現在、生徒会で「信頼の店・フレンズ」の運営を任されている購買委員長の
2年生、井筒琢哉クンは、最初に「フレンズ」を知ったとき、
とっても不思議に思ったことを覚えているといいます。
プラス・マイナス・ゼロの記録って、だからナンなの?ナニがすごいの?
でも、実際に自分が、その収支の担当になって判ったそうです。
お金が1円でも足りなくなることの大変さ。計算がピッタリ合ったときの、
ホッとしてうれしくなる気持ち。そしてこの気持ちが、友だちを信じてよかった。
自分もそう思われる人間になろう!そう変わっていくんだなぁ、と。

福岡県警の調べでは、中学生の約15%が万引きの経験者でした。
7人いれば、その中の1人は経験者という割合です。
政治を始め、大人の世界で日々明らかにされる「うそ」「ごまかし」。
そんな中で、子供たちに「信頼の大切さ」を育てることは大変かもしれません。
でも、あきらめてはいけません。角鹿中学がそうであるように、
「うそ」「ごまかし」のない、収支の合う日を1日でも長くするには、
仲間を信頼する、されることの大切さを、一人ひとりが自分の心に刻むしか、
方法はないのですから。

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投稿時間:2009-03-02 11:53:54
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上柳昌彦のお早うGood Day! AMラジオ 1242 ニッポン放送 (<AMラジオ 1242 ニッポン放送 )より。